9月の東京クラブ |
今月の例会は「課題図書」についての発表をするというプログラムだった。 芥川賞の「蹴りたい背中」と川端康成の「伊豆の踊り子」について比較して感想を述べるというものだ。 なぜ、この二つかと言えば、「蹴りたい・・」は描写力が優れた作品であると言う観点から、 「伊豆・・」の描写と比較した書評があり、それでは東京クラブの面々はどう感じるのだろうかと、 プログラム委員会は考えたのである。 その結果は、両者を比較する前に「蹴りたい・・」の現代性、つまり、今の若者独特の感覚や、 閉塞した状況を思い知らされたという感想が多く、委員会の意図とは、ずれてしまった感がある。 しかし、「課題図書」で取り上げなければ、あえて読まない人も多かっただろうから、 そういう意味では、よい刺激となったかもしれない。 う〜ん、なんか、かた〜い文になりました。 それよりも、すご〜い事が一つ。川端のリサーチスピーチをしたのが、川端さんでした。 (康成の親戚ではないのですよ)委員会は川端だから、川端にまかせようなんてイージーに 思ったわけではありません。きちんと、順番を考えての上でのこと。 ところが川端さんのスピーチの最後にビックリ!! 彼女のご主人が康成と懇意であったとのことで、やおら、取り出したるは、康成の毛筆の手紙 ではありませんか! なんというご縁でしょう!康成が天国から「僕はITCに無縁ではないのですぞ」と言ったような・・・。 ちょっと不思議なお話でございました。 Amy Chan こと プログラムリーダー記 |