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「暗さの文化」

乾さんは、西欧での研究体験をもとに、石の家に住む人々の豊かな「暗さの文化」描いています。

西欧の人の「ものの考え方の基盤が安定している」という特徴は、その中で養われたとみています。

日本は西欧文明の暗さの部分を理解することなく、日本の文明開化は出発し、文明とは明るいものだと
思いこんでしまった。

「暗さは人にものを考えさせるのです。」
光の行き渡りすぎた現代の夜は、人に動き回ることばかり強いて、じっくり考える能力を喪失させてしまった」といいます。

人間の落ち着き、思慮深さ、謙虚さというものも、明るさよりは暗さとのつきあいの中から生まれてくるものに相違ないと云っています。

《乾 正雄著「夜は暗くてはいけないか」より》  関原 暁