4月例会のプログラムは久しぶりに外部講師による教養講座でした。
聖心女子大学キリスト教文化研究所教養ゼミナール講師の中井純子氏をお招きし、第1部は「聖書翻訳と近代日本の夜明け」と題しての講演、第2部は4グループに分かれてグループディスカッション「聖句の意味を考える」の2部構成で行われました。
19世紀後半、鎖国政策をとる日本にキリスト教布教の使命をもって来日したプロテスタント宣教師たちが、いかに苦労して最初の日本語聖書を完成したか、について興味深いお話を伺いました。鎖国中でも沖縄は入国しやすく、人々が優しかったため(本当は早く出て行ってもらいたかったからだそうですが)「沖縄はユートピアだ」という神話が当時あり、初めて出版された和訳の聖書は琉訳(琉球語)だったそうです。それを知り、宣教師たちはさらに日本語の勉強に励みましたが、開国後の日本は「近代化」を求めて急速な変化を遂げていました。当時は文体の乱立期で、封建時代の階級社会の遺産である各階級や性、場所により、異なる文体の日本語が用いられていました。また、書き言葉と話し言葉のギャップが大きく、エリートは漢文体、一般の人々はかな文章を用いるなど統一されておらず、「文章の近代化」が緊急課題でした。このような日本語文体の乱立期に、禁教令の苦難も乗り越えて1880年新約聖書が、1887年旧約聖書が完成しましたが、宣教師たちはその仕事の範囲をはるかに越えた様々な分野で、日本人指導者層及び青年層に対して啓発、助言、教育を行うことにより「近代日本の夜明け」に貢献したのです。
「ヘボン式ローマ字」で有名なヘボンの名前も出てきて、大変興味深く、またわかり易くお話いただきましたので、あっという間に時間がたってしまいました。
グループディスカッションでは、「豚に真珠」、「眼から鱗」、「新しい葡萄酒は新しい皮袋に」、「人はパンのみにて生きるにあらず」の4つの聖句を各グループに割り当てて、普段どのように理解して使っているかを話し合い、発表した後、講師のコメントで、もともと聖書ではどのような場面で使われた言葉であるかを知り、「これこそ、『目から鱗』」という声が上がりました。
知的で暖かく、人徳にあふれたお人柄の講師に出会い、学ぶことができてよかったと感じた会員は、今日のインスピレーション『人とめぐり逢うのも才能である。私に何の才能がなくても、人にめぐり逢う才能があったと思う。(がんばりません「可愛がられて死ぬよりはまし」より)』という佐野洋子さんの言葉を、自分のこととして味わったかもしれません。 |
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