プログラム後記
第47期9月は、3年振りに、昼食を挟んで午前、午後と従来の形に戻した例会でした。46期末に 5人が退会し、寂しくなった会場に、ゲスト4人を迎え、元気さを取り戻したかのように笑顔が弾けるスタートでした。
午後のプログラムは「今日の話題」で幕を開けました。
9月恒例の課題図書は「塞王の楯」、第166回直木賞受賞作品で、
どんな攻めをも、はね返す石垣 どんな守りをも、打ち破る鉄砲
「最強の楯」と「至高の鉾」の対決を描く、究極の戦国小説です。
プロローグ「穴太衆:美しく積むほどに堅牢な石垣」では、実際に穴太衆ゆかりの滋賀県坂本を訪ね、撮った石垣の写真をスクリーンで紹介、続いて4つのリサーチスピーチ ① 国友衆 ② 甲賀の忍者 ③ 近江 ④ 城壁について発表がありましたが、当クラブ会員特有の熱心さからどんどん話が広がり、スピーチに費やす時間が延びて、フロアからの感想や質問に応える時間が足りなくなってしまいました。
物語の主人公匡介と彦九郎は、共に戦いの無い泰平の世を作りたいと願う平和主義者ですが、その手段は180度異なります。最強の楯となる頑丈な石垣を作り続け、相手に攻撃を諦めさせようとする匡介と、どんな城でも打ち抜く至高の矛、鉄砲を作る彦九郎も又、その威力で敵の戦闘意欲を喪失させようとしています。
その二人の生きざまを現在にスリップさせ、近くは、未だ終結が見えないロシアのウクライナ攻撃、それ以前も、あちこちで発生している戦闘、先の第二次世界大戦にまで、討論が発展したら、この本を選んだ価値が発揮できたのではないかと思っています。
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